8.8 　 世界一周 119日目

（イタリア鉄道縦断一人旅：13日目）

13カ国目：イタリア / ナポリ→マテーラ→バーリ

リアルタイム：ポルトガル / リスボン→スペイン / マドリード

 

 

 

 

★　リアルタイム　★

 

１週間滞在させてもらった旧友夫婦の家を離れ、スペインにやって参りました。

６年ぶりの再会。大好きな友人との毎日。

次またいつ会えるかも、現実的に考えるとそもそも会えるかどうかもわからない。

そういう類いの別れというのはすごく寂しいものです。

 

そんな今日の私の心情とは裏腹に、私の爪は赤と緑にファンキーに染まっています。

そう。長年楽しみにしていたあの祭りがもう目前。

形からはいる私。爪の塗り替えと共にスイッチオン（単純）。

 

ああ、楽しみでたまらない。

 

 

 

 

 

今日はナポリにメインバッグをあずけ、２泊３日の旅行。

 

初日はナポリからバーリ経由でマテーラに行き、バーリに戻ってくる。

２日目はバーリから日帰りでアルベロベッロ。

３日目はバーリからナポリに戻るって旅程です。

 

バス乗り遅れ引っ捕まえ事件とかあるんですが、割愛。

 

 

 

 

マテーラは小さな街。

かといって「村」「田舎」「自然」というわけでもなく、洞窟住居のエリア以外は観光地らしさもなくごくごく普通の町並みだった。

 

サッシまで３０分、その町並みを見ながら歩いていると、

ふと、５年半前、アメリカ留学中に初めて一人旅をした時のことを思い出した。

 

 

サンフランシスコからヨセミテ公園までいく途中、乗り換え地点。

名前も忘れたあの街は、ちょうどマテーラのような感じのごくごく普通の小さな街だった。

 

 

記念すべき一人旅初回からトラブラーを発揮していた私。

中継地点のこの街まで来たはいいが、ヨセミテ公園は未曾有の大雪で停電だと。

今まで数十年閉鎖したことなんかないのに、急遽閉園だとか。

バスが動くのか、開園するのか、とにかく何もわからない。

 

今なら「じゃあどうしようか。」と次の策を考えるだろうが、はじめての一人旅だった私は、ただただ「どうしよう・・・。」とインフォメーションセンターで途方に暮れていた。

 

 

インフォメーションセンターのおばちゃんが、そんな困っている私に声をかけてくれ、どうなるかわかるまで電話で確認してくれたり、おそらくセンターを閉める時間を越えていただろうが一緒にいてくれたり、とても親切にしてもらった。

最終的にはバスも運行するし開園もするとのことで、喜び合いながらおばちゃんとハイタッチをしたのを覚えている。

 

不安でたまらなかった私にとって、そんなことよりもおばちゃんの親切がとても嬉しかった。

 

 

 

街の雰囲気が似ているからか、そんな昔の出来事をふと思い出した。

５年半たった今でも、

街の雰囲気、入った小さなカフェ、食べたワッフルとついていたジャム、曇っていた天気、おばちゃんの顔、通りの景色

断片的ではあるが細かくその日のことを覚えている。

 

 

それを思い出した時、ふと思った。

 

 

ああ、旅を終えて数年後、数十年後に思い出すのって、

「とりあえず行ってみた」有名な観光スポットや場所やなくて、こういうことなんやろな。って。

 

 

そして、はじめてサンフランシスコ一人旅をした時に、

 

「ああ、一人旅って楽しいな。自分でいく旅行って楽しいな。

もっと色んなとこいってみたい。色んな体験してみたい。

「海外に長期で行きたい！」って単純な理由から留学しにきたけれど、

私がしたかったのって多分、留学じゃなくて旅行やったんかも。」

 

と思い、それも今の旅の大きなきっかけの一つになったことを思い出した。

 

 

楽しい日々やねんけど、なんだか色々気を遣って疲れていた自分。

なんでかなーって思ってたんやけど、

ここでストンと腑に落ちた。

 

 

ああ、

『他人が「いい」っていうことを、「いい」って思わなあかん。』

って無意識に考えてたんや。

って。

 

 

誰かに「それって・・」なんて指摘されたら、「あ、やっぱりそうだよね。」なんてあわせて。

とりあえず合わせておくとかじゃなくて、基本は「自分より他人がいったことのほうが正しい気がする。」と思えてきて、修正して。

人がいいっていうことはいい。あかんっていうことはあかん。

 

 

そして

 

『他人に「いい」って思われたい。』

そういう自分もおって。

 

いつも「でも、良かったです。」なんてうまいこと纏めて。

FBなどのSNSやブログなんかも、「こうかいちゃったら、〜やと思われたりせえへんかな？」とか、「いいね」っていってもらえるように考えながら書いて。

 

 

そう考えてたってことに気がついて。

ほんで、ちゃうな。って思った。

 

自分がしたい旅ってそんなんちゃうし、

そもそも誰に気遣ってんねん。って。

 

自分が『いい』て思うものは『いい』。

自分は『あかん』て思うものは『あかん』。

 

 

別にあまり興味のわかない有名観光スポットにいく必要もないし、

逆にその時観光したい気分ならしたらいい。

 

目の前の今のほうが大事なのにブログ書く必要もないし、

逆にせっかくの観光地でもブログ書いてだらだらしてもいい。

 

夕方からたった数時間だけの観光でもいいし、物価高いって有名な国でも行きたければ行けば良い。

ヨーロッパでお土産買ったらあかんていうルールはないし、逆にモロッコでお買い物祭りをしなくてもいい。

 

今まで遊んだことのなかった先輩後輩や友人だって、コメントやLINEしたっていいし、遊んでもいいじゃない。

 

 

「もったいない」かどうかなんて自分が決めること。

「良かった」かどうかも自分が考えていいこと。

 

「しないといけないこと。」なんてほとんどない。

「してはいけないこと。」もそんなにない。

 

旅はもっと自由。発信ももっと自由。

 

万人ウケするために無難なことかいて、無難な選択をするくらいなら、

「いいね」なんて思われなくても、もっと本音で書いて、ほんとに「したい」と思うことを選んでいきたい。

 

 

 

まだまだ他人に流されやすい私。

 

すぐに「あ。そうかな。」なんて不安になったり、

「こう言ったら、書いたら、嫌われへんかな。いないところでなんか言われてへんかな。」なんて悪い想像をする私。

 

もしかしたら、その「悪い想像」で、人との距離感を間違えたり、発言で空回りしていることもあるかもしれない。

逆に嫌われるかもしれんくても、言ったほうがいいことも、時にはあるかもしれない。

 

すぐに「したい」「なりたい」が出来るかわからないけれど、目標や気持ちはそっち側へ。

 

もうちょっと気楽に、自由に、素直に、ストレートに。

行動や発言できたらいいなと思う。

 

 

 

そんな心境の変化があった、マテーラでの話でした。

この日から、随分気が楽に過ごせています。

 

今回はキリよくここまで。

マテーラのとある小さなカフェでの話に続きます。

 

では、また明日！

 

 

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