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ありがとう / グラシアス　こんにちは / オラ

 

 

 

グアテマラ編、最後はこの話。

 

 

 

 

サンペドロ滞在、最後の３日間。

 

コロッケ路上販売

に、挑戦しました！

 

 

事の発端は小さなことだったんですが、管理人と同じく「路上販売」もまた、世界一周中やりたかったことのうちの一つ。

でも、何か物作りで取り柄があったわけでもなく、ギターや歌が上手なわけでもなく、「やってみたいなぁ。」くらいでぼやーっとしたものだったので、

まさかここで、しかもコロッケを売ることになろうとは。

 

 

 

一人でやろうと思っていたのですが、せっかくなので脇谷を誘ってみた。

 

「ねえ、コロッケ路上販売してみようと思うんやけど。」

「お、ええやんー。」

「よかったら、一緒にやらん？」

「おっけー！」

 

 

軽っ！

 

 

二つ返事であっさりOK。

と、いうわけで、脇谷と２人でやることとなった。

 

 

 

夕食後、早速作戦会議。

 

 

 

路上販売をしたことがある辻さんにアドバイスをもらいながら、

「目標価格」を決めて、「かかる費用」「価格設定」「販売個数」を計算・予想しながら決めていく。

 

 

「１ケツ（15円）価格を安く設定したいから、販売個数を10個増やそう。」

「現地の人がフライドチキンを１本７ケツで売ってるんやから、５ケツくらいやないと対抗できひんのちゃうか。」

「それやと目標価格に到達せんから、ツーリスト価格は８ケツにしよう。」

「肉もやめて、チーズも小さめにいれて、１ケツ安くしよう。」

 

 

他にも、どういう風に並べるか、紙袋はどうするか、どこで販売するか、アピールの仕方、などなど。

すぐ話は脱線するし、ふざけるし、挙げ句の果てには即興漫才は始まるし、終始けらけらと笑いながらですが、

それでも２人共真剣に話し合いました。

 

 

 

 

「大人の本気の遊び。」

 

この言葉自体は辻さんの受け売りですが、

例えばダンスにせよ、路上販売にせよ、２人共

「どうせやるならば、本気で。」

という熱量はいつも大凡同じ。

 

 

 

 

 

翌日、準備日。

 

買い出しに、看板作り、袋の装飾など。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

看板も袋作りも割とすぐ飽きるので、適度に交代しながら。

 

黙々とやっては、発狂し踊り、黙々とやっては、発狂し踊り・・・

の繰り返し。

 

 

 

気分はまるで、文化祭。

この歳にして。

 

 

 

 

 

４時間の作業の末、

看板完成！！！！

 

 

 

夜には、約30個のコロッケの下準備（成形して冷凍まで）をして、

 

時々授業をしにkamomosiに来てくれるスペイン語の先生に、

「路上販売で使えるフレーズや単語」も教えてもらい、

 

 

 

 

当日。

 

朝からコロッケ揚げです。

 

 

 

 

大量のコロッケ。

３日間で揚げたコロッケ、延べ100個超。

 

 

 

 

 

場所を決め、いざ、販売開始！

 

初日はアボカドチーズコロッケ。

メルカドで地元の人をターゲットに、一個６ケツ。

 

 

「Hola〜！」「Comida Japonesa（日本食）」

「Papas fritas , y aguacate, queso, juntos」

「Muy rico（美味しいよー！）」「Puedes ver !!（見てってー！） 」

 

メルカドの活気に負けないよう、覚えた言葉を使って、客寄せをしていく。

 

 

が。

メルカドに人は沢山いて、みんな興味津々そうに見たり、まちまち話しかけたり話も聞いてくれたりするんやけど、なかなか購入には至らず。

 

そう上手くいかないだろうと予想していたが、

「もしや、このまま一個も売れないんじゃ・・・。」

なんて悪い未来が頭を過る。

 

 

２人共不安が沸々と沸き上がりながらも、

「大丈夫！これからこれから！まだ始まったばっかや。」

なんて言い合いながら、声かけを続ける。

 

 

 

体感的には、数十分。

 

 

一人の男性がやって来る。

そして、何度もやったやり取りを繰り返す。

 

 

 

「これ、何？」

「コロッケです。ジャガイモとアボカドチーズを揚げたもの。」

「いくらなの？」

「６ケツです。」

「Esta bien .　（おっけー）」

 

 

 

 

 

 

Esta bien …………

 

 

 

 

 

「え！？　Esta bien ！？！？！？」

 

 

そらいつかは売れるんやけれど、もう売れないんじゃないかなんていう気持ちになっていた手前、２人共大喜びの、てんやわんや！

 

 

 

記念すべきはじめてのお客さん。

ありがとう、ありがとう！

 

この時のことは、絶対忘れないと思います。

「Esta bien」の時に完全に時が止まったことも含めて。笑

 

 

 

 

そこからも、何人か、コロッケを買ってくれました。

毎回毎回、宝くじでも当てたかのように、大喜び。笑

 

 

 

１時間〜２時間で、売れたのは６個ほど。

お昼時も終わり、なかなかしょっぱい結果に。

 

ツーリストをターゲットにしたツーリスト通りに移動することに。

 

 

 

 

適当な場所を見つけ、再び販売スタート！

 

 

 

１日当たりの目標の稼ぎを２つ決めていて。

 

１つ目は「kamomosiに１泊できる値段「50ケツ」×２人分」＝100ケツ

２つ目は「+夕食代25ケツ×２人分」＝150ケツ

 

 

「それ以上で有り余ったらそのお金で豪華昼ご飯にしよう！」

 

なんて言っていたのに

２つ目はおろか１つ目の目標さえ到底到達しそうになかった

我々のお昼ご飯は

 

 

 

 

作戦失敗でべちゃべちゃになってしまった試食用コロッケのみになった。

 

 

炎天下・水も２人で宿で入れてきた一本のみ。

ご飯も（試食）コロッケと、その後に「状態確認の為。」と言い訳をつくり２人で半分こしたコロッケ１〜２つ。

 

そもそもお金は持ってるんだから、普通に買えるっちゃ買えるんだが

「決めたからには、こうだ！」と、ルートや計画は優柔不断な癖に、妙なところで初志貫徹な部分がある我々は、

 

「稼ぎで昼ご飯を食べる。」が出来ないなら、１円も使わない。

 

と、初日は文字通り「ハングリー精神」で挑むこととなった。

 

 

 

 

そして、ツーリスト通りも曜日と時期的に人通りが少ない（らしい）ながらも、一人一人、買ってくれた人達のおかげで

こつこつと、１つ１つ、少しずつ売れていき

 

 

夕方、

 

 

 

 

 

　　完　　売　　。

 

 

最後ずっと一緒にいた犬に１つ、我々で「コロッケ乾杯」をして二つ、自分達で消化したし、何とも泥臭い終わり方だったけれど。

「目に見えて順調に。」とは言えませんが、なんとか無事に完売！

 

 

 

 

宿に戻って、ご飯を食べたら、

また「コロッケ」です。

 

 

まずは本日の売り上げを算出。

 

 

「売り上げ」は

130.5ケツ（1987円）

 

ここからかかったコスト（46.5ケツ）を引くと、

「稼ぎ」は

一人当たり

 

42ケツ（639円）

 

 

 

 

初日、kamomosi１泊さえ出来ず・・・！

 

 

 

 

というか、

６００円稼ぐの、めちゃくちゃ大変やないか！

 

準備や作戦会議時間も入れると、時給にして１時間４０円程である。

 

 

日本でのバイト時代の時給８００円の稼ぎ方、ましてや社会人になってからのお仕事の時給と比べると、今回はお金の重みが全く違う。

６００円なんてしょーもないことにぱっっと使ってしまってんのに、この日稼いだ「６００円」の有り難みと重みったら、もう。

お客さん1人1人が出してくれた「（約）100円」の積み重ねだから、尚更である。

 

 

「お金を稼ぐのは大変」「お客さんが自分で稼いだ大切なお金を出してくれているおかげ。」

なんて、当たり前のことやし頭でもわかっているんだが、

実際「物を売る」というのを「全て」、つまり、作戦・原価計算から準備、買い出し、販売まで１から全てする、ということを経験し、

また違った感覚で、身を以て実感した気がした。

 

 

 

 

反省点は山盛り。

１日目の反省会をし、再度作戦を練り、明日のコロッケの準備をして

 

 

 

２日目。

また、コロッケ揚げから１日がスタート。

寝ても覚めてもコロッケ。

 

 

２日目は

じゃがいもコロッケ

でいくことにした。

 

 

 

 

 

２日目、５個残しの「２５個売り」で終了！

 

完売させたかったが、雨が本格的に降り始め、

日も暮れ始めてきていたので、終了。

 

だが、

コロッケのサイズや売り方、価格設定や売り場所など

色々改善し、１日目よりは随分スムーズに売れるようになった。

 

 

サンペドロにいる日本人の人達は

「ほぼ完売！すごいやん！」「２５個！すごいやん！」

といった反応をしてくれるのだが、

 

やはり全く売れない時間があったり、半日座って売り続けている私達の感覚からすると、

「１つ１つの積み重ねで、なんとかなんとか、やっとこさで売れてて、そのやっとこさの結果として、（ほぼ）完売。」

という感覚だった。

 

それは、これから「商売」というものの見方がかわる程の、

販売者と、周りの人達や普段の自分のように「買う立場」の人達との感覚の大きな差だった。

 

 

 

さて。２日目結果。

 

売れた個数

２５個。

 

ディスカウントが少なかったので

「稼ぎ」（※コストを引いたもの）は

一人当たり

 

５７円ケツ（８６８円）。

 

 

 

１つ目の目標、クリア！

 

これでkamomosi、１泊できる！

夕食抜きなら。笑

 

 

 

 

さて、最終日、３日目。

 

 

２ヶ月過ごしたサンペドロ。

まさかの出発前日も１日コロッケをすることに。

 

 

 

朝から辻さん、私のiphone6洗濯機でまわしちゃって（洗いすすぎもきっちり完了済）朝っぱらから号泣するわ、

ボリビア行きのフライトチケットをキャンセルしたく、電話で脇谷と二人掛かりで２時間格闘するわ（結局キャンセルは出来ず）、

それで揚げたてのコロッケは２時間経過、販売スタート時間は既にお昼タイム過ぎてるわ、

さらに販売し始めてから販売用財布を忘れていることに気がつき、宿との往復ダッシュするわ、

挙げ句の果てに、天気どん曇りやわ。

 

 

 

そらーーもういろいろありまして。

 

 

 

２人共、

気丈に振る舞うも、内心テンションどん底からのスタート。

笑顔が笑顔になりきっていない。

 

 

「もう終わった。」

「今日、１つも売れる気がしない。」

「もう駄目だ。」

 

トラブルがあれどいつもポジティブな２人が、さすがにこの時はこんな気持ちになっていました。

 

 

 

 

ただ、この日。

タイミング良く、我々が販売しているツーリスト通りでは

 

 

 

かばさん（★）が、路上ライブイベントを催していて。

ツーリスト通りは、日本人旅行者や同じく路上販売者、それに現地の人や旅行者達で賑わっていた！！！！

 

 

 

 

まさにそれに肖る形で、

 

 

 

 

コロッケは順調に売れていく。

 

 

一人一人、私達の作ってくれるコロッケを買ってくれる人

笑顔で「美味しいよ」と言ってくれる人

「頑張って！」と言ってくれる日本人の方々

 

・・・のおかげで、私達のコロッケやコロッケ以外のことでも落ち込んでいた心を、癒してくれた。

 

自分達でもわかる。どんどん元気になっていく。

間違いなく、コロッケを買ってくれはった人達のおかげだった。

 

 

売れ具合が順調なので

 

 

 

 

ついに、

稼いだお金で、お昼ご飯！

 

 

そのライブをしている「かばさん」のやっている屋台で、お礼の気持ちを込めてお昼ご飯をお願いした。

私は親子丼にマテ茶。脇さんは親子丼に焼き鳥。

 

贅沢だ。

「お金の重み」が増しまくっている今、余計に贅沢だ。

 

 

「一昨日の「ぺちゃぺちゃの試食品コロッケ（失敗）」とはえらい違いだ！」

なんて２人で笑い合いながら、美味しい美味しいと食べる日本食ランチ。

 

 

 

 

この後も、普段あまり話したことがないような路上販売の日本人の人達とも話したりしながら、

かばさん達が奏でるボサノバミュージックを聴きながら、

コロッケを売り続け、

 

 

 

 

３日目、完売！

 

 

かばさん達に差し入れもしたし、

途中でまた雨がふってきて厳しくなり、

最後はやっぱり２つで「コロッケ乾杯」をして終わったが、

ストレート完売した以上に、気持ち晴れやかだった。

 

 

日本人の人も沢山買ってくれ、それは単純に「コロッケが買いたいから。」だけではなく、「優しさ」であり。

昨日最後売れ残ったコロッケを１つ買ってくれた地元のおばあちゃんだって、そう。

他のコロッケを買ってくれた人達の多くも、そう。

 

色んな人達に助けられ、「優しさ」をもらった。

単純にお金を得られただけではなく、とても大切な思い出と、「学び」「経験」をもらった。

 

 

余談だが、この日の前日に、

色々自分の中で上手くいかないことが積もり積もって、感情が爆発して夜中に号泣する。

って出来事が宿であったんですが、

その時にオーナーの辻さんに

 

 

「人生、完璧上手くいくことの方が少ない。

失敗することの方が多い。最初から上手くいかないもんだ。

何でもかんでも出来るって若い人は思いがちだが、一人の出来る事なんか限られている。

最初っからそう思っていれば、もっと楽になる。」

 

 

と言われ、それで随分気が楽になりました。

それ以降、サンペドロも出た後も「そもそも、なんでもかんでも上手くいかないもんだ。」スタンスで過ごすようになり、心穏やかに過ごせる場面がよく出てきました。

 

 

 

コロッケ販売はきっかけは軽いもんでしたが、本当にやって良かったな。

と、思いました。

 

「世界一周」するだけではなく、

せっかく旅にでて、自由に自分のやりたいことを選択できて、時間もあるからこそ、

「やってみたいこと。」は、一歩踏み出せるならやってみようと思っていて。

 

やりたいことも行きたいことも着々と消化してしまっていますが、

過去の思い出に浸り続けるのではなく、残りの旅の期間も、またこういった忘れられない思い出や経験に期待して旅を続けていこうと思います！

 

 

一緒に付き合ってくれた、脇さん。

アドバイスしてくれはった、辻さん。

ライブイベントに肖らさせてもらいました。かばさん。

応援してくれたkamomosiやサンペドロの皆さん。

コロッケを買いに来てくれた人達。

 

ありがとうございました！！！

 

 

 

 

 

さて、２人の楽しみにしていた

お金の時間

です。（ゲスい）

 

 

３日目。

 

「売り上げ」から「コスト」を引いた

「稼ぎ」は

一人当たり

 

 

９３ケツ（１４１６円）。

 

 

 

きたーーーー！！！

最終目標、達成！！！！

 

 

kamomosi、夕食つきで宿泊できる！！

そして更にお昼ご飯も食べれるお釣りつき！！！！

 

 

 

３日間、２人で合計5846円稼ぐことができました。

 

これを「安い」じゃなくて、喜びに震え、万歳三唱した私達。

「お金の価値」って同じ人物でもその時々でこんなにも変化するなんて、面白いものですね。

 

 

稼いだお金で結果的にあまり余った私達は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

布に変わりました。

 

 

４日間の努力、布１枚に変化しました。

「お金の価値」とか言うて、結局物欲に塗れている我々。

 

7ケツでコロッケをコツコツ売り、1ケツのコストを減らすために散々話し合い、7ケツの昼ご飯を我慢しお腹を減らし、

100ケツ以上する布を買う、我々。

 

 

 

実に、私達らしいお金の換え方だったと思います。

布、おばあちゃんになるまで大切にします。

 

 

 

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